この作品シリーズには、基となる物語があります。
鈴木が綴る「白龍十二景〜里湖の1年〜」。この物語に登場する里湖(りこ)は、架空の人物です。
けれど、里湖が描く白龍に託した記憶、願い、寂しさ、希望は、私たちの暮らしの中に本当にあるものです。
その思いを、実際に陶板作品として鈴木清雅が焼き上げたのが、本シリーズです。
鈴木清雅は、自分の内側だけから作品をつくりません。
誰かの胸にある大切な記憶、まだ言葉にならない夢、会えない人への思い、これから進みたい未来を、丁寧に受け取ります。
そして、その人の思いが宿る形を探し、土に描き、火に委ねて、世界に一つの作品へと仕上げます。
だから鈴木清雅から生まれる作品には、決まった一つの作風がありません。
やわらかな龍になる日もあれば、祈りを感じる風景になる日もあります。明るい希望の色になることも、静かな悲しみを包む色になることもあります。
それは、作品の出発点が「くまさん自身の表現」だけではなく、出会った人の心と、その人が生きてきた時間にあるからです。
土は、思いをすぐに完成させてはくれません。釉薬は予想を越えて流れ、火は絵の色や輪郭を変えます。
けれど、その変化を重ねるからこそ、言葉だけでは届かない思いが、焼き物の中に静かに残ります。
物語『白龍十二景』は、そんな作品づくりを知っていただくための入口です。
里湖の一年は架空の物語です。
しかし、そこにある「誰かを思う気持ち」「自分の人生を取り戻したい願い」「大切な記憶を未来へ渡したい思い」は、作品をご覧になる皆様の中にもあるかもしれません。
鈴木清雅は、その思いを受け止めます。そして、土と火を通して、あなたの心にしかない一枚へと育てます。
作品は、ただ飾るために生まれるのではありません。
思い出したい人のために。
これから歩く自分のために。
心の中にある願いを、形にするために生まれます。
※展示作品は、受注制作の原作見本となります。
※ご注文いただいた後、想いを込めて一点ずつ改めて制作し、お届けいたします。
※作品のお届けはご注文から約2ヶ月後の予定です。
